元プロ運用者の独り言 最近の金融商品の販売について

こんにちは。

 

10年近く保険会社で運用を担当してました。今はリタイヤして趣味を楽しむ日々を過ごしています。忙しく仕事をしている頃は経験できなかったことがたくさんあって、そんな日々の出来事を書き綴ってみたいと思います。

 

27年間保険会社で働き、その上早期退職でしたので、その時は少し蓄えがありました。今は・・・・残念です。

 

退職して横浜から大阪に転居したので、大阪で銀行口座を開設する必要があり、いくつか銀行を回りました。その時の窓口でのやり取りです。銀行では多少まとまった金を預金しようとしたので、やたら投信とか外貨建養老保険などを勧めてきます。

 

保険会社時代は10年程資産運用部に在籍し、為替や外国債券の運用を担当してました。後半はサラリーマンが運用することの限界を痛感し、ヘッジファンドなどの外部の運用者へ委託するスタイルを企画し、専門部署を設置して自らが責任者となりました。

ですから金融商品には詳しいと自負しています。

 

銀行を回った頃は、日本株も為替も今から入る水準ではないと判断してましたので、そのように言って断りました。銀行側はなかなか引き下がろうとせず、いろんな商品を勧めてきます。その中での1つに唖然としました。

 

株にあまり影響されない投信があるというので、トラックレコード(過去の運用実績)を求めたところ、出てきたのは運用シミュレーションでした。これは単なるシミュレーションで運用者の裁量もありそうなファンドでしたので、まったくもってトラックレコードとはならないものです。私的には参考にもならないと思います。

 

更にはそのシミュレーションを見てみると株との相関が明らかに見られます。シミュレーションデータでも株の動きに近似しているところがあります。これは論外ですね。

銀行の窓口で販売しているのなら、こちらの言っていることや商品の内容を正しく理解してもらいたい。

 

とにかく売ることに一生懸命で、こちらのリスク耐性や投資経験などには忖度する姿勢がありません。結構な販売手数料を得る限りは、それに見合う販売態勢を整えてもらいたいものです。

 

私が運用をしていた頃には、我々のような機関投資家というプロの投資家向けにしか販売していなかった商品が今では個人にも販売されています。ヘッジファンドを組み入れた投信やデリバティブを組み入れた債券および外貨預金などです。 

 

売る方でもこのような商品のリスク特性や仕組みを理解するのは大変だと思うのに、ましてや投資経験の浅い個人に売るのはどうかなと思います。まだまだ運用に関して思うことがたくさんありますのでまたの機会、次のようなテーマで書いてみます。

  • 投資の鉄則
  • 投資の武勇伝は要注意
  • マーケットタイミング
  • リスク耐性